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作成日:2023年11月10日  更新日:2024年05月24日

事業再構築補助金とは?採択率を高める方法を徹底解説


業界の環境変化や、会社の業績拡大を目的に、既存の事業を再構築したり新規事業に参入したりということが求められますが、事業開始に当たっては多額のコストが発生します。

そのような場合に使えるのが、事業再構築補助金です。

今回は事業再構築補助金とは何か、手続きの流れなどをご紹介します。

事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金は、経済的な困難に直面している事業者や企業に対して、事業の再建や再構築を支援するための助成金プログラムです。

この補助金は、事業の持続性を確保し、雇用を守り、経済への貢献を続けることを目的としています。

個人事業主の利用も可能?

事業再構築補助金は主に中小企業を対象としていますが、要件さえあえば個人事業主の利用も可能です。

一般的に、個人事業主も経済的な困難に直面し、事業の再建や再構築が必要な場合、補助金を申請できることがあります。

事業再構築補助金の用途

新分野展開

事業再構築補助金を利用して新たな分野や市場に進出することができます。例えば、新しい商品やサービスの開発、新規顧客層へのアプローチ、新たなビジネスモデルの導入などが該当します。

業態転換

業態転換は、既存の事業モデルや業態を変更するプロセスを指します。事業再構築補助金を利用して、収益の多角化や競争力の向上を図るために業態転換を行うことができます。

例えば、従来の小売店がオンライン販売に参入する場合などが該当します。

事業・業種転換

事業再構築補助金を用いて、完全に異なる事業や業種に進出することも可能です。これにより、新たな市場機会を探求し、収益の多角化を図ることができます。

例えば、製造業からサービス業への転換や、伝統的な業種から環境に配慮した事業への転換などが考えられます。

事業再構築補助金の用途は、事業者のニーズと経済状況に合わせて多岐にわたります。経済的な困難に対処し、事業の持続可能性を向上させるために、適切な用途を選択することが重要です。

手続きの流れ

事業再構築補助金の申請および支給の手続きは以下の通りです。

補助金の準備開始から支給まではおよそ1年半ほどを要するため時間はかかりますが、一つずつ確実に進行しましょう。

公募内容・利用目的の確認

まず、事業再構築補助金の公募内容を確認し、補助金プログラムの詳細やスケジュールの確認が必要です。

事業再構築補助金は、常に申請を受け付けているものではありません。

公募のスケジュールは利用希望時期にあっているか、そもそも補助金の利用目的がマッチしているかなど、入念に事前確認をしましょう。

認定経営革新等支援機関の選定・相談

事業再構築補助金を申請する際、認定経営革新等支援機関を選定します。

認定経営革新等支援機関とは、経済産業大臣が認定した中小企業を支援することを目的にした機関です。

全国で3万件以上の金融機関や税理士、中小企業診断士などが該当しているため、身近で相談しやすい機関を選定すると良いでしょう。

申請書類の準備

補助金の申請に必要な書類や情報を準備します。

これには、会社の登記簿謄本や2か年分の決算資料をはじめ、金融機関や認定経営革新等支援機関による確認書などが含まれます。

特に事業計画書は、会社や事業の将来性はあるのか、補助金の用途に沿った事業なのかどうかなどを審査をする上で非常に重要な役割を果たします。

詳細は事業計画書補助金の公式サイトで確認しましょう。

申請

準備が整ったら、補助金の申請書類を提出します。

事業再構築補助金の申請は、独自の申請システム「Jグランツ」を用いて行います。

Jグランツに関しては、具体的な利用マニュアルが用意されています。ミスや不備がないように、申請はこのマニュアルに従って行うようにしましょう。

事務局による審査

提出された申請書類は、事務局によって審査されます。

採択の可否は補助金の事務局よりメールにて通知されます。

また通知が行われた後に、事務局のサイトでは採択された事業者の商号が事業計画の概要などと合わせて掲載されます。

交付申請・決定

採択通知を受けて、改めてJグランツにて交付申請を提出します。

その申請が受領されるともれなく、交付が決定となります。

補助事業の実施

交付が決定したら、実際に申請の対象とした事業を開始します。

状況や実績の報告

事業推進にかかる支出(設備費用や広告費など)も、事業計画に沿って支払いを進めますが、定期的に事業の進捗状況や実績報告資料の提出を求められることがあります。

所定の様式にしたがって書類を作成し、同じくJグランツにて提出するようにしましょう。

提出には期限が設けられているため、日頃から書類作成を進めておくなど、余裕をもった対応が必要です。

確定検査

一定期間、事業が行われ、いよいよ補助金の支払いをするタイミングになると、改めてこれまで提出された報告書の内容があっているか、現状と事業計画書や報告書との乖離がないかを検査されます。

場合によっては、事務局の担当者が事業所を訪問して、検査を行うケースもあります。

担当者の指示に従って、丁寧に対応を行いましょう。

補助金の請求・交付

確定検査が完了すると、補助金の確定通知書が交付されます。

通知書を受領したら補助金精算請求書を作成し、事務局に対して補助金の請求を行います。

書類に不備が無ければ、およそ一週間ほどで口座へ振り込まれます。

事業再構築補助金が不採択になる理由

提出資料が公募要項に沿っていない

事業再構築補助金の公募要項に示された要件に合致していない場合、申請の不採択率が高まります。

第3回の公募時においては、全15,423件の申込に対して必要要件に達していなかったものが、およそ1,800件ほどあったと公表されています。

軽微な不備であれば提出した後に事務局から差し戻しを受けて再申請が可能ですが、場合によっては修正が公募期限に間に合わなかったり、事務局側で不採択と判断されてしまうこともあります。

資料の不備や要件の不一致などのミスをなくすために、事前に要項を確認して必要書類をリストアップするなどの対応をしておきましょう。

事業計画の内容が不明瞭

事業再構築補助金の審査に、事業計画は不可欠です。

採択には、合理的で説得力のある事業計画が求められます。

事業計画を組むにあたっては下記を意識すると良いでしょう。

  • 現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性
  • 事業再構築の具体的内容
  • 事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法
  • 実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画

また事業計画を自社で作成し審査申込もできますが、事業再構築補助金においては認定経営革新等支援機関と相談しつつ策定することが推奨されています。

資金調達の目途がついていない

事業再構築に必要な資金調達の計画が不明確で、資金調達の目途がついていない場合、申請は不採択となることがあります。

事業再構築補助金の支払いは、採択を受けてからおよそ1年後です。

補助金を受けるまでの間にかかる資金は自社で工面しなくてはいけません。

したがって、それだけの自己資金があるもしくは金融機関などからの資金調達が見込める状態にないと、申請しても採択されない場合が多いです。

実際に、審査項目の一つに金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるかというものがあります。

補助金採択に向けた手続きを進めながら、資金調達にも注力するようにしましょう。

事業再構築補助金の採択率

全体の推移

これまで実施された事業再構築補助金の採択率は下記の通りです。

公募 採択率
第11回 26.4%
第10回 48.1%
第9回 45.4%
第8回 51.2%
第7回 51.1%
第6回 49.9%
第5回 46.1%
第4回 44.7%
第3回 44.4%
第2回 44.8%
第1回 36.0%

引用:事業再構築補助金第11回公募の結果について|事業再構築補助金事務局

業種別推移

また、最新の第11回の公募において、業種別の採択率は下記の通りです。

業種名 採択率
製造 30.9%
卸売・小売 15.1%
建設 13.1%
飲食 8.4%
技術サービス 7.1%
情報通信 6.6%
(一般)サービス 6.3%
生活関連サービス 3.4%
医療・福祉 2.4%
不動産 1.9%
運輸・郵便 1.5%
教育 1.2
その他 2.1

引用:事業再構築補助金第11回公募の結果について|事業再構築補助金事務局

事業再構築補助金の採択率を高める方法

専門家に相談・対応依頼をする

事業再構築補助金の申請は、書類の準備や内容の精査が重要です。専門家、例えば中小企業診断士や行政書士、経営コンサルタントなどに相談することで、申請書の作成を効率的かつ効果的に行うことができます。専門家は補助金の要件や審査基準を熟知しており、的確なアドバイスを提供してくれます。

具体的には以下の点でサポートを受けられます。

  • 必要書類の確認と準備
  • 事業計画書の作成支援
  • 審査基準に沿った内容の精査
  • 申請手続きのサポート

採択経験のある他社から学ぶ

過去に事業再構築補助金の採択経験がある企業から情報を得ることも有効です。成功事例を分析し、自社の申請に活かすことができます。

以下の方法で他社から学びましょう。

  • 成功事例の研究:採択された事業計画書の構成やポイントを参考にする。
  • 業界交流会やセミナーへの参加:成功事例の共有やアドバイスを得る機会を作る。
  • 直接のアドバイスを受ける:採択企業とコンタクトをとり、具体的な取り組みや改善点を教えてもらう。

まとめ

今回は、事業再構築補助金について解説しました。

本サイトでは、経営に関わる様々なお悩みに対する情報をご紹介しています。こちらからご覧ください。

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