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2024年02月04日(日)

2024年1月から義務化の電子帳簿保存法改正とは?変更点や保存方法を解説


2024年1月に法改正が行われた電子帳簿保存法。

取引情報(契約書/領収書など)の電子保存が義務化されるなど、企業側で対応が必要な事項が出てきています。

そこで今回は電子帳簿保存法の変更点や保存方法などを解説します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、国税関係の会計帳簿や書類を電子データで保存しておく方法などを定めた法律です。

2022年1月の改正により、制度が厳密化し、原則、電子取引による領収書などのデータを紙に出力して保存する行為ができなくなりました。

2023年中までは猶予期間として、特別な事情がある場合には紙での保存が認められていましたが、2024年1月1日以降は運用が完全義務化されました。

2024年1月からの主な変更点

変更点1:取引情報の電子保存が義務化

これまでは、電子取引に関するデータは原則として電子形式で保存する必要がありましたが、書面に出力して保存することも許可されていました。

しかし、今回の改正により、紙での保存が廃止され、電子データによる保存が義務付けられました。

変更点2:データへのタイムスタンプの付与

電子データには、改ざんなどを防ぐために「タイムスタンプ」を付与する必要があります。

タイムスタンプとは、主に電子データが発行された日時を証明することを目的に、日付と時刻を記録しておく仕組みのことです。

一般には専門のデータ管理サービスなどを使えばタイムスタンプは自動的に付与されるため、電子管理を運用する中で大きく意識する必要はありません。

ただし書類やデータに関するトラブルを防止する重要な要素となりうることは覚えておきましょう。

変更点3:厳罰化された違反時の処分

改正のポイントの1つは、罰則の強化です。電子データにおける隠蔽や改ざんなどの違反が発覚した場合、申告漏れによる「重加算税」に10%の追加額が課せられることになりました。

さらに、猶予期間を過ぎても電子データの保存に対応せず、従来通り紙ベースでの保存を続ける場合、青色申告の承認が取り消される可能性もあります。

変更点4:電子保存要件の緩和

帳簿書類を電子データで保存する際に必要とされていた検索項目が削減され、「取引年月日」「取引先」「取引金額」の3項目に変更されました。

これにより、従来よりも少ない項目で電子データ保存が可能となりました。

変更点5:電子保存の届出不要化

2022年1月1日の改正前は、電子データ保存やスキャナー保存を導入する際には、事前に税務署長による事前承認を得るための申請が必要でした。

しかし、今回の改正により、これらの手続きが廃止され、電子保存の導入がより簡便になりました。

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電子帳簿保存法の対象者

電子帳簿保存法の対象者は、国税関係帳簿書類を保存しなければならない全ての事業者です。

企業規模や、個人事業主か法人かといったことは問われません。

電子帳簿保存法の対応メリット

コストが削減できる

電子帳簿保存法に対応することで、紙の書類を保管するためのスペースや、書類作成や管理にかかる人的コストを大幅に削減できます。

保管スペースが不要になることで、オフィスの有効活用が可能になります。

また、紙の使用量が減ることで、環境保護にも貢献できます。

書類保存を効率化できる

電子化された書類はデジタルフォーマットで保存されるため、検索や管理が容易になります。

書類を探す時間を短縮し、業務の効率化が図れるでしょう。

また、書類の整理整頓がしやすくなることで、書類紛失などのリスクも減少します。

書類の確認・活用がしやすくなる

電子帳簿はいつでも簡単にアクセスできるため、必要な時に迅速に確認できます。

さらに、データの分析や共有が容易になり、経営判断や業務改善に役立つ情報を迅速に活用できます。

複数の担当者が同時にアクセスできるため、業務の連携もスムーズになります。

電子帳簿保存法の対応デメリット

業務の内容変更が生じる

電子帳簿保存法に対応するためには、既存の業務フローや手続きを見直し、変更する必要があります。

従業員への通達や運用の浸透をするためのマニュアル作成なども必要となり、一時的に業務の負担が増えることもあるでしょう。

システム導入や運用にコストがかかる

電子帳簿保存システムの導入を行う際には初期費用や月額などの運用費用がかかります。

また、システムの保守や運用、セキュリティ対策にもコストが発生します。

これらのコストは、特に中小企業にとっては負担となることがあります。

複数の関連ツールを比較するなどをして、どのツールが自社にとって負担なくコストも現実的なものかを見極めるようにしましょう。

システムの不具合や障害に備える必要がある

電子帳簿保存システムは、便利である反面、一時的な不具合やシステム障害が起こる可能性もあります。

障害発生時には書類の閲覧や活用ができなかったり、場合によってはデータが消去されてしまったりという可能性もあることから、利用する際にはバックアップや復旧計画を整備することが求められます。

業務に支障をきたすリスクも考慮しなければなりません。

帳簿の保存方式

電子帳簿保存法では、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引データ保存があります。

電子帳簿等保存

概要

電子帳簿等保存とは、会計ソフトで作成した帳簿や書類などを電子データとして保存することを指します。

保存の要件

保存の要件には、「改ざん防止のための措置をとっていること」や「取引年⽉日、取引金額、取引先により検索できること」などがあります。

スキャナ保存

概要

スキャナ保存とは、紙で作成・受領した請求書や領収書などの書類をスキャンし、画像データで保存することです。

保存の要件

保存の要件には、「一定水準以上の解像度(200dpi以上)による読み取りがされていること」や「タイムスタンプが付与されていること」、「カラー画像による読み取りがされていること」などがあります。

電子取引データ保存

概要

電子取引データ保存とは、電子メールなどでの領収書や請求書をやり取り(電子取引)する場合、それらをそのまま電子データで保存しなくてはならないというものです。

保存の要件

保存の要件には、「改ざん防止のための措置をとっていること」や「取引年⽉日、取引金額、取引先により検索できること」などがあります。

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電子帳簿保存法に違反したらどうなる?

追徴課税

追徴課税は、税金を少なく申告してしまったり、納め損ねたりした場合に、後からペナルティとして課される税金です。

電子帳簿保存法に違反した場合、通常の追徴課税35%に10%を加重して納めなければなりません。

過料(会社法によるもの)

国税関係帳簿書類を適切に保存しなかった場合、会社法により100万円以下の過料が科せられます。

会社法第976条には帳簿や書類などの記録・保存に関する規定があるため、こちらも確認しておきましょう。

推計課税

国税関係帳簿書類に不備等が多い場合は、推計課税が課されてしまいます。

推計課税とは、税務署が推計して所得税や法人税の額を決め課税することです。

金額は税務署がきめるため、多くの税金を支払うことになる恐れがあります。

青色申告の承認取り消し

電子帳簿保存法に違反した場合、青色申告の承認が取り消されてしまう場合があります。

取り消されてしまうと、青色申告の特例(最大65万円の特別控除等)が受けられなくなってしまいます。

電子帳簿保存法に困った時の対処法

専門家へ相談

「電子帳簿保存法について、何をしたらいいのかわからない」といった場合には専門家に相談することがおすすめです。

法改正の理解はもちろん、その人や会社の状況に合わせた対処法やアドバイスを得ることができます。

セミナーへ参加

また、電子帳簿保存法に関するセミナーへの参加もおすすめです。

電子帳簿保存法に関するセミナーへの参加は、最新の情報や知識を得ることができます。

また、オフラインでの開催の場合に、セミナー中や受講後に、講師に個社の現状に応じた質問ができる点もセミナーに参加するメリットの一つです、
>>セミナー情報

ホワイトペーパーなどの資料を仕入れる

電子帳簿保存法に関するホワイトペーパーなどの書類を熟読することで、正確な情報や詳細情報を得ることができます。

資料は、誰が見てもわかりやすく書かれており、いつでもどこでも読むことができるため、セミナーへ参加する時間がないといった忙しい人にぴったりです。

まとめ

今回は、電子帳簿保存法についてご紹介しました。

本メディアでは経営や採用に役立つ情報を発信しております。
詳しくはこちらをご覧ください。

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