お役立ちガイド
近年、ChatGPTに対する注目が急速に高まっています。
その能力を活かし、業務効率の向上やサービス品質の向上など、多岐にわたって利用されることが期待されています。
今後ますます企業がChatGPTを導入し活用することが予測されますが、業務利用においてはいくつか注意点があります。
そこで本記事では、ChatGPTを企業内で利用する際に注意すべき点や戦略的な活用法について解説します。
ChatGPTとは?
一般のチャットボットサービスとの違い
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が開発したAIを使用したチャットツールです。
ChatGPTは、ネット上にある大量のデータを学習することで、まるで人間と話しているかのような自然な会話をチャット上で実現させました。
様々なことを学習しているため、「○○について教えて」や「商品のキャッチコピーを考えて」等どんな質問にも回答してくれます。
似たようなチャットサービスに、チャットボットサービスがあります。
チャットボットサービスには、AIを使うものとAIを使わないものがありますが、AIを使わないシナリオ型は、設定された質問とそれに対応した回答をもとに会話を行うので答えられる情報の幅に限界があります。
AIを使ったチャットボットサービスは、与えられたデータやチャットログをもとに学習するので、シナリオ型チャットボットサービスよりは複雑な質問にも答えられますが、受け答えの精度がChatGPTに比べ低くなっています。
例えば、「200文字以内で」等といった複雑な質問に回答してほしい際やアウトプットを出してほしい際にはChatGPTを利用し、問い合わせ対応やサービスに対する質問等特定の回答が欲しい際はチャットボットサービスを利用するといったように用途によって使い分けるのが良いでしょう。
ChatGPTの使い方は?
ブラウザから利用
ChatGPTは、ブラウザから無料で利用でき、利用するにはユーザー登録が必要です。
Apple ID、Googleアカウント、メールアドレスのいずれかの方法で登録ができます。
スマホ・PCどちらからでも利用可能です。
APIを活用
ChatGPT APIを利用することで、ChatGPTの機能を他のアプリケーションやシステムと連携することが可能です。
APIは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)」の略称で、ソフトウェアやWebサービスの情報のやり取りをつなぐインターフェースのことです。
開発者はChatGPT APIを使用して、質問応答、文章生成、対話型アプリケーション等を自社で作ることができ、すでに多くの会社で様々なサービスが開発されています。
例えばQlipper社(クリッパー)は、ChatGPT APIを使い、プレスリリースを自動作成するサービスを、ObotSERVE社(オーボットサーブ)はChatGPTを利用した高度なWeb接客サービスを展開しています。
ChatGPT Enterpriseを利用
ChatGPT Enterpriseとは、企業向けに公開された最新バージョンのChatGPTです。
ChatGPT Enterpriseはセキュリティレベルが大幅に向上し、企業でも安心してChatGPTを利用することができます。
また、通常の文字数は約3000文字ですが、ChatGPT Enterpriseはその4倍の文字数が入力可能です。
合わせて、従来のChatGPTに比べて高速なシステムであるGPT-4が無制限で利用できます。
ChatGPT Enterpriseを利用するには料金がかかりますが、具体的な利用料金は公開されておらず、要問い合わせとなっています。
ChatGPTを活用するメリット
業務効率化
一つ目のメリットは、業務効率化です。
メール等の文章作成や、データの分析、長文の要約等、やらなくてはいけないまたは時間がかかってしまう業務をChatGPTに任せることで、手間や時間のムダを削減することができます。
コスト削減
二つ目のメリットはコスト削減です。
ChatGPTを利用することで、ルーティン業務を自動化し、人件費や作業時間の削減が可能です。
また、業務に携わる人数を減らすことができれば、オフィスや会議室等の場所代の削減もできるでしょう。
サービス品質の向上
三つ目のメリットは品質の向上です。
ChatGPTを活用し、業務を自動化すれば、エラーやミスが減り品質の向上に役立ちます。
例えば、メルマガ等のメール文章作成時にChatGPTを使用すれば誤字・脱字のない丁寧な文章を作成してくれます。
ChatGPTの業務活用例
専門用語などの解説
ChatGPTでは、専門用語などの意味を解説してくれます。
「○○について教えて」という質問はもちろんですが、「200文字以内で」や「小学生にもわかるように」等、条件をつければそれに沿った回答を得られます。
ChatGPTの回答は、質問を入力後すぐに得られるので、ネットで様々な記事を読むよりも圧倒的に時間を削減できます。
メールの文章作成
敬語や言葉遣い、誤字・脱字がないか何度もチェックし、メール作成にどうしても時間がかかってしまうという人も少なくないでしょう。
メールの文章作成も、ChatGPTを活用すれば短時間で作成することができます。
ただし、メールの目的や読み手等、メールを書く際に重要となる情報をChatGPTに与えることがポイントです。
ChatGPTは誤字脱字のない丁寧な文章を作ってくれるので、一から文章を考える手間を省いたり、誤字脱字を減らしたりすることができます。
プレスリリースなどの文章作成
プレスリリースの文章作成も、ChatGPTに任せられます。
ただし、メール作成時と同様に、こちらでも目的やターゲット、その他プレスリリース作成において必要な情報等をChatGPTに与えましょう。
また、文章作成だけでなく、「以下の文章にもう少し肉付けして」や「推敲して」等のお願いをすれば、自分で作成した文章をブラッシュアップさせることも簡単にできます。
資料作成
資料の構成を考える際にも、ChatGPTを活用できます。
「○○に関するプレゼンテーション資料の構成案を考えて」とお願いすれば、短時間で構成案を回答してくれます。
「5分以内で発表できるように」といったように条件をプラスして伝えるとより理想に近い回答が得られます。
また、「構成案を元に見出しと本文を作成して」と追加でお願いすれば、資料の内容も考えてくれます。
さらに、デザインツールとして知られるCanva(キャンバ)は、ChatGPTで生成した構成案をもとにスライド作りまで自動で行う機能を展開しています。
企画の壁打ち
企画の壁打ちもChatGPTと行うこともできます。
例えば、「共働き家庭をターゲットにした新商品のアイデアをいくつか出して」とお願いすれば、その市場の状況や情勢等を踏まえた上でChatGPTがアイデアを複数個出してくれます。
さらに、気になったアイデアがあれば「○○についてもう少し詳しく教えて」や「それぞれのアイデアについてメリットデメリットを挙げて」等をお願いすることもできます。
壁打ち役にChatGPTを採用すれば、壁打ちのために誰かに頼んだり場所や時間を調整してもらったりする必要がなくなります。
表計算で使える関数の作成
ExcelやGoogleスプレッドシートを使っている時、「こんな数字を出したいのに、どの関数を使えばいいのわからない」といって悩んだことはありませんか?
そんな悩みもChatGPTを使えば短時間で解決します。
また、どんなロジックで処理されている関数かわからない場合もあると思います。
そんな時は、ChatGPTで「Excelで、=VLOOKUP(A3,A5:D12,2,FALSE)という関数は何をしているの?」と質問すれば詳しく教えてくれます。
プログラミングコードの作成やチェック
プログラミングの場面でも、ChatGPTを積極的に使ってみましょう。
一般的なプログラミング言語ならなんでも対応してくれます。
コード作成はもちろんですが、コードのレビューをしてくれたりエラーの解消をしてくれたり等、様々な使い方ができます。
「ここのコードが何しているかわからない」といった時でも、ChatGPTを使えば丁寧に教えてくれるので、初心者エンジニアにもおすすめです。
SEO記事のタイトル・見出し作成
記事のタイトル・見出しの作成をChatGPTにお任せすれば、執筆時間を削減することができるでしょう。
記事のテーマやターゲット等を提示すれば、SEOにおいて獲得したいキーワード等を踏まえてChatGPTが短時間でタイトルや見出しを作成してくれます。
また、自分で書いた文章の推敲や、要約等もできるので、様々な活用方法があります。
しかしながら、ChatGPTが作った文章は日本語がわかりにくいことがあります。
ChatGPTが作成した文章をそのまま使用するのではなく、一度しっかり目を通して適宜修正していくと良いでしょう。
ChatGPTの注意点
回答内容が必ずしも正しいとは限らない
ChatGPTの回答は必ずしも正しい情報とは限りません。
ChatGPTは、ネット上にある様々なデータを学習しています。
したがって、フェイクニュースや正確ではない情報も学習し、間違った回答をしてしまう可能性があります。
ChatGPTからの回答はすべて鵜呑みにするのではなく、本当に正しい情報なのかを公式サイト等でチェックする必要があるでしょう。
機密情報を含む問いかけはNG
ChatGPTに送信された情報は、学習データとして使用されることがあるため、送信する内容には注意しましょう。
社内の情報や個人情報等を送信してしまうと、ChatGPTを通して機密情報が流出してしまう可能性があります。
回答内容が著作権に抵触する場合がある
ChatGPTはネット上にあるニュース記事や書籍、Webページ等大量の情報を学習しています。
そのため、生成された文章等が著作物に酷似している場合、著作権の侵害に該当してしまう可能性があります。
「知らぬ間に著作権を侵害してしまった!」とならないように、元となるデータの著作権の確認を行いましょう。
ChatGPTの業務活用に関するおすすめ資料
ChatGPTの利用に関する社内ルールと注意点
ChatGPTの社内利用を推進したい方やChatGPTの利用に関する社内ルールを定めたい方には以下の資料がおすすめです。
弁護士と作成した資料となっており、ChatGPTのリスクとChatGPT利用に関する社内ルールについて考えた内容になっています。
バックオフィス担当者のChatGPT活用状況
また、ChatGPTがバックオフィスでどのように活用されているのか調査した以下の資料もおすすめです。
ChatGPT活用の効果だけでなく、活用にあたっての懸念点と解決策についても詳しく書かれています。
まとめ
今回は、ChatGPTの業務利用についてご紹介しました。
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