お役立ちガイド
稟議とは
稟議(りんぎ)とは、企業において重要な決定や予算の承認を、社内で行う際に用いられます。
承認を取りたい事項をまとめ、上司や最終決定者である社長などに順次承認を求め、合意を取得することで、最終的な意思決定を行います。
稟議の目的
稟議の主な目的は、組織内での透明性の確保と、重要な決定に対する関係者全員の合意を得ることです。
これにより、後々のトラブルや不正行為の発生を防ぎ、決定事項に対する責任の所在を明確にすることができます。
また、稟議を通じて各部署や役職者の意見を反映させることで、より適切でバランスの取れた意思決定が可能になります。
稟議規程の重要性
稟議規程は、稟議を円滑に進めるために必要なルールや手順を定めたものです。
この規程が明確に定められていることで、組織内での稟議の承認プロセスが統一され、無駄な手戻りや混乱を防ぐことができます。
また、稟議規程がしっかりと整備されていることで、承認ルートが明確になり、意思決定の迅速化やトラブルの未然防止につながるでしょう。
稟議規程の策定に必要な項目
発生しうる稟議の定義
稟議規程を策定する際、まずはどのようなケースでどのような稟議が発生するのかを定義することが重要です。
例えば、いくらまでの予算を利用する際に稟議を求めるのか、他社との取り組みの際にどのフェーズからどんな契約書と稟議が必要なのかを定め、明文化しましょう。
この定義が明確であれば、稟議が必要な場合と不要な場合が区別しやすくなり、無駄な稟議も減らすことができます。
承認ルート
承認ルートは、稟議書が誰の承認を得て最終承認者まで届くかを定めるものです。
具体的には、どの役職や部署が稟議に関与し、順次どのように承認が行われるかを明確に規定します。
また金額や契約内容によって、部内での稟議で完結するパターンや、会社全体を通して社長決済が必要なパターンなど区分けすることも重要です。
契約に伴う会社のリスクと、事業の推進に求められる意思決定スピードとのバランスを鑑みて、適切な承認ルートを定め、重要な決定が迅速に行える仕組み作りを行いましょう。
契約書類の管理方法
稟議を経て承認された契約書類をどうやって管理するのか方法や体制を整えることも重要です。
これには、契約書類の保管場所やアクセス権限、管理責任者の指定などが含まれます。
適切な管理が行われることで、必要な際に迅速に契約書類を参照でき、また紛失や改ざんのリスクを低減できます。
主な稟議の種類
契約稟議
契約稟議は、企業間での契約締結や変更に関する稟議です。
新規の契約や契約内容の変更、更新などに際して、組織内での承認を得るために行われます。
契約の内容や条件、リスクについての検討が求められます。
捺印稟議
捺印稟議は、正式な文書に企業の印章を押す際に必要な稟議です。
特に契約書や公的な文書に企業の印鑑を捺印する際には、その重要性から稟議を通して承認を得ることが求められます。
捺印の前に文書の内容が正確であるか、適切な承認が得られているかを確認します。
経費精算や事前申請
経費精算や事前申請に関する稟議は、社員が業務に関連する費用を会社に請求する際、または費用発生前に承認を得るための稟議です。
出張費、接待費、備品購入費などがこれに含まれます。
正確な申請内容と証拠書類の提出が求められます。
稟議申請時に必要な入力項目
管理用の稟議番号
稟議番号は、稟議書を管理・追跡するために付与される識別番号です。
これにより、稟議の履歴を簡単に追跡でき、関連する情報を素早く参照することが可能になります。
記入者
稟議書を作成した人物の名前や部署名を記入します。
これにより、稟議書の作成者が明確になり、責任の所在を確認することができます。
稟議の件名・種別
稟議の対象となる案件の件名や、その案件がどのような種類の稟議に該当するのか(契約稟議、捺印稟議、経費精算など)を記入します。
これにより、稟議内容を一目で理解できるようになります。
稟議の本文
稟議の詳細な内容を記載する部分です。案件の背景、目的、必要性、影響などを具体的に記述します。
これは承認者が適切な判断を下すための情報です。
稟議をあげる際は、対象の契約や企業に関して、事前情報がない状態でも、状況や契約の目的などが分かるように記載することが求められます。
証拠資料など(添付)
稟議内容を裏付けるための資料や証拠(契約書のドラフト、見積書、関連メールなど)を添付します。
これにより、稟議の信頼性が高まり、承認がスムーズに進行できます。
金額
稟議に関わる費用や予算の金額を記載します。
金額の大小により、承認ルートや承認者が異なる場合があるため、正確な金額の記載が重要です。
また見積書や料金表などを添付して、記載した金額が正しいものなのか、後で変動する可能性はないのかなどを証明することも求められます。
稟議規程の策定に困った場合の対処法
セミナーに参加する
まずは稟議規程の策定に関するセミナーやワークショップに参加してみることをオススメします。
セミナーでは契約書の取り扱い方や稟議の策定の方法に関する基本的な知識だけでなく、他社の事例を知れることも魅力の一つです。
顧問に相談
企業が顧問契約を結んでいる弁護士や会計士などに相談することで、規程の策定や改善について的確な助言を得ることができます。
既に会社の状況などを知っている顧問の意見を取り入れることで、法的リスクや財務的な側面も考慮したアドバイスが得られるでしょう。
テンプレートを活用
とにかく早く社内に稟議を取り入れたいという場合は、既存のテンプレートを活用することも有効です。
本メディアから稟議書のテンプレート3点セット(物品購入稟議書・採用稟議書・契約稟議書)のExcel版のダウンロードができます。
稟議フローを整備したい方は、ぜひご活用ください。
まとめ
今回は、稟議規定についてご紹介しました。
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