お役立ちガイド

営業活動の効率化をお考えの企業担当者様へ。
SFAツールを活用すれば、顧客情報や商談の進捗状況といった複雑なデータを一元管理できます。近年ではマーケティング機能が充実していたり、CRMと一体化していたりする高機能な製品も多数。この機会に、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事では、SFAの基本機能や選定ポイントを詳しく解説します。おすすめのSFAツールランキング10選も紹介するので、ぜひお役立てください。
SFAツール(営業支援システム)とは?
SFAツールとは、営業活動全般を効率化するためのシステムのことです。
顧客情報や商談履歴などを一元的に管理し、営業の効率化を実現します。多くの顧客情報を管理する必要がある企業では、SFAの導入がほとんど必須といっても過言ではありません。
近年のトレンドでもある営業のデータドリブン化を推進するためにも、ぜひ積極的に導入を検討してみましょう。
SFAは顧客や案件を管理し営業活動を効率化するツール
SFAとは、営業担当者が行うさまざまな業務をデジタル化するためのツールのこと。営業の進捗状況や顧客データを一元管理できるほか、メール送信やデータ分析にも対応しています。
これまで、営業案件の進捗状況はExcelで管理することが主流でした。しかし、Excelだと複数人での情報共有が難しく、複雑な分析には対応できないといったデメリットもありました。
そこで登場したツールが、SFAです。SFAを使うと、システム上で各案件の進捗状況を一元管理することができます。情報はリアルタイムで更新できるため、チーム内での情報共有もスムーズです。顧客との過去の接触履歴や商談のステータスといった、複雑な情報も簡単に管理できます。
多くの顧客情報を適切に一元管理するためにSFAの導入はほぼ必須
多数の顧客データを管理するためには、SFAの導入はほぼ必須と考えておきましょう。
昨今、営業活動のデータドリブン化が進んでいます。例えば過去に蓄積された商談データをもとにアップセル・クロスセル提案したり、既存顧客のリテンションを行ったりする企業も多いでしょう。商談を行った場合は、その内容やキーパーソン、見積もり金額などを記録しておくこともマストです。
こうした大量のデータをExcelや紙面上で管理すると、次のような問題が起こります。
- 社員同士で情報共有が遅れる
- 営業活動が属人化する
- 営業の品質に社員間でムラが生じる
特に、営業の属人化は深刻な問題。顧客から「あの人からでなければ買わない」といった要望を受けて苦労した方も多いかもしれません。
そこで、SFAの出番です。SFAを活用すれば各案件の進捗状況をリアルタイムで共有できるようになるため、誰がどの案件をどのような状態で持っているのかが瞬時に分かります。過去のデータもチーム全体で共有できるため、個人の勘や経験に頼らない、再現性の高い営業が可能です。データは一箇所に集約されているので、顧客数が多い場合にも把握ミスが起こりません。
データに基づく効果的な営業を行いたい場合には、SFAは大きな味方になってくれるでしょう。
SFAとCRMの違い
SFAとよく混同されがちなのがCRM。機能がよく似ている両者ですが、目的と利用シーン、機能がそれぞれ異なります。
両者の主な違いは次の通り。
項目 | SFA | CRM |
---|---|---|
主な目的 | 営業活動の効率化 | 顧客関係の構築 |
対象フェーズ | 見込み客〜商談・受注 | 受注〜フォローアップ |
主な機能 | 案件管理、売上予測 | 満足度向上、リピート促進 |
上記の表からもわかる通り、SFAは営業活動へ特化したツールです。ツールの目的は、営業活動の効率化がメイン。利用シーンとしては、見込み顧客との接触段階から商談開始・受注までが多いです。
一方、CRMは顧客との関係管理に特化したツールを指します。日本語で「顧客関係管理」と呼ぶことからもわかる通り、主に顧客との関係構築や関係維持を目的としています。活用するフェーズとしては、受注からリテンションがメインです。
自社の営業スタイルに合わせて、両者をうまく使い分けるとよいでしょう。例えば新規開拓に重点を置く場合はSFAでリード獲得を優先し、既存顧客と長期の信頼関係構築を重視したい場合はCRMを活用して、リピート獲得やLTVの向上を狙うことがおすすめです。
なお、最近ではSFAとCRMを統合した製品も主流。例えばZoho CRMはSFAとしての機能も備えていますし、ネクストSFAも高度なCRMの機能を備えています。見込み客からフォローアップの段階まで顧客の情報を一元管理したい場合には、こうした統合型の製品も検討してみてください。
SFAツール(営業支援システム)の機能やできること
SFAツールは、営業活動に関わる便利な機能を多数搭載しています。よく用いる機能は、主に以下の6つです。
- 顧客管理
- 案件管理
- 営業活動記録
- 商談進捗管理
- マーケティング支援
- 予実管理
これらの機能を使いこなすことで、営業の効率化やデータドリブン化につながります。
顧客の情報の管理・保守する機能
顧客の情報を管理する機能は、SFAの中核となる機能です。取引先や担当者の情報などを一元的に記録し、営業チーム全体で共有することができます。
具体的な管理項目は、主に次の通り。
- 企業に関する情報(会社名、業界、社員数)
- 担当者のプロフィール(氏名、部署、役職、連絡先)
- 取引・コンタクト履歴(電話、メールなど)
それぞれの顧客には、重要度やステータス、カテゴリなどを設定することも可能です。例えば年間売上規模や業界に基づいて顧客をカテゴリ分けし、それぞれに適したアプローチを仕掛けることができます。
また、顧客との過去のコンタクト履歴を細かく記録できる製品も。例えば電話やメールの履歴を記録しておけば、次にいつコンタクトを取ればよいのかわかります。過去のコンタクト履歴と商談結果を突き合わせ、どのようなアプローチが有効なのか分析することも可能です。
案件の情報を管理・保守する機能
個々の商談について、詳細な進捗状況を記録するための機能です。案件ごとに、例えば次のような情報を登録できます。
- 案件名や商材
- 受注予定日
- 提案金額
- 進捗ステータス
こうした情報を記録しておくことで、担当者はいつでもそれぞれの案件の情報を正確に把握できるように。チーム内での情報共有が円滑になるため、上司もサポートが必要かどうかの判断がしやすくなります。Excelで管理する場合と比べて、担当者の引き継ぎへの対応も簡単です。
また、案件の情報をチーム内で共有すれば、営業担当者はお互いに刺激を得ることができるでしょう。誰がどの程度の成果を出しているのかがリアルタイムで共有されるため、評価の公平化や透明性の向上といった効果が見込めます。
営業活動の記録・管理機能
日々の営業活動を細かく記録できる機能。訪問回数や提案内容、顧客の反応などのデータを蓄積し、営業手法のブラッシュアップに役立てることができます。
例えば過去の顧客訪問の情報を記録しておけば、担当者間で同じ相手に複数回アプローチしたり、見込みの薄い顧客に対して意図せず何度もアプローチしたりするリスクを減らすことができます。訪問時の反応を記録しておけば、次回訪問時により顧客の心に響く提案ができるようになるかもしれません。
さらにこうしたデータは、定量的に分析することが可能です。例えばコンタクト回数と成約率の関係性を詳しく分析することで、「◯回目のコンタクトで見込みが薄ければ、撤退した方が良いな」といったノウハウを得ることができます。
ちなみに、最近ではAIを搭載した高度な分析機能を備えた製品も多数。例えばSalesforceでは、独自のAI技術である「Einstein AI」を搭載。過去の履歴から顧客の特定パターンを見つけ、新しいリードの見込みを数値化することができます。
GENIEE SFA/CRMも生成AIとの連携に力を入れており、ChatGPTを利用した議事録の要約やメールの作成が可能です。
商談進捗の記録・管理機能
「初回面談」「提案」「見積もり」といった、各商談の進捗状況を細かく管理するための機能。「パイプライン管理」とも呼ばれるこの機能は、案件の現在位置と次のアクションを明確化する際に役立ちます。
この機能を使うことで、営業担当者は「自分が今どの案件に集中するべきなのか?」を直感的に理解できるように。例えば見積もり段階の案件のみを絞り込んで表示すれば、自分がいつまでにどの案件に対して見積もり資料を作ればよいのか瞬時に把握できます。
また、各ステージごとの滞留時間や通過率を分析することで、営業プロセスのボトルネックを特定することも可能です。もし「初回面談から1回目の提案までに多くの案件が流れてしまっている」といった事実が分かれば、初回面談時の対応に課題があることが特定できます。
マーケティング支援機能
過去の商談履歴を活用したメールを配信したり、データを分析して次の商談に役立てたりしたいと考えたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近のSFAの中には、高度なマーケティング支援機能を搭載したものも多数存在します。この機能を使えば、上述したようなマーケティング施策が実現可能。効果的なリード獲得や顧客維持につながるでしょう。
具体的には、キャンペーン施策と連動したメールや、顧客のリテンションに向けたメールを配信することができます。タイミングも自由に設定できるので、例えば「最後の商談から1週間経った段階でリマインドメールを送る」「毎月15日にニュースレターを配信する」など、さまざまな施策を打つことが可能です。
さらに、SFAを使えばメールの送信履歴や開封履歴などの細かな情報を管理することもできます。例えば過去にどのようなメールを送信したのか、どのメールが開封されて成約に繋がったのかなど、オンラインでのマーケティングに役立つさまざまなデータを得られるのです。
予実の管理機能
予算と実績を正確に把握するための機能。月次売上から四半期売上、年間売上まで、さまざまなスパンでの予実管理が可能です。
従来の予実管理は、Excelで行うことが主流でした。しかし、Excelで予実管理を行おうとすると、どうしても複雑な関数を設計する必要があり、業務の属人化を招きます。情報の共有も難しいため、状況をチームへ共有することにも一苦労です。
SFAを用いると、リアルタイムで予実データを更新できるように。目標達成度をいつでも正確に把握できるため、目標達成に向けたスピーディーな軌道修正につながります。
なお、「別途予実管理ツールを導入すればよいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。この点に関してはケースバイケースですが、SFAを用いて予実管理を行うことで、成約のたびにデータを転記する手間がなくなる点は確かなメリットです。金額入力のミスも発生しづらいため、予実データの信頼性も向上します。
SFAツール(営業支援システム)を導入するメリット
SFAツールを導入すると、営業活動の質と効率を大幅に改善することが可能です。
例えば、情報を一元管理することで社内の連携を促進することができます。顧客情報も正確に把握できるため、顧客ニーズに応じた最適な提案ができるように。SFAには多くのデータが蓄積されるので、データに基づいたマーケティングにもつながります。
営業情報を一元管理でき、社内でリアルタイムに共有できる
SFAを導入する最大のメリットは、分散していた営業データを一箇所に集約できる点。複数の商材にまたがる大量のデータを、組織全体でリアルタイムに共有できるようになります。
従来のようにExcelや紙ベースで営業データを管理すると、情報をチーム内で共有することができません。誰がどの案件をどのような状態で持っているのかわかりづらいため、上司もマネジメントがしづらいです。「同じ顧客に複数人の担当者がアプローチしてしまった」など、情報の共有不足によるミスも起こります。
SFAを導入すると、それぞれのメンバーの営業情報を一目で把握することが可能です。情報がリアルタイムで更新されるので上司はサポートしやすいですし、複数人で一つの案件に対応する際も情報共有のミスが起こりません。今までの「会社パンフレットと自社資料、過去のメモ書きを見ておいて」といった複雑なやり取りが、「SFAから情報を見ておいて」で済むようになります。
また、SFA上のデータは場所を問わずにアクセスすることが可能。オンサイトでの商談や出張が多い場合でも、出先で情報を簡単に確認できるというメリットもあります。
顧客情報を一元管理でき、より顧客ニーズに合わせた提案ができる
SFAを導入することで、顧客情報を正確に管理できるようになります。結果的に、個々の顧客に対して今まで以上に最適なアプローチがしやすくなるでしょう。
これまでの営業は、個々の社員の力量に依存している部分も少なくありませんでした。それぞれの社員が持つ勘や経験ももちろん大切ですが、それらに依存しすぎると営業が属人化してしまいます。引き継ぎや担当者の変更がしづらくなり、長期的にチームのパフォーマンスが低下しかねません。
SFAを活用すれば、顧客情報を一箇所でまとめて管理することが可能です。どの顧客が過去にどのような提案に対して良い反応を示したのか、どのようなコンタクトが有効だったのかを総合的に分析できるため、より個々の顧客の心をつかむような提案ができるようになるでしょう。
SFAに集約されたデータを用いてマーケティング戦略を立案できる
SFAのマーケティング機能を使うことで、大量のデータを正確に処理することができます。例えば顧客分析によって高確率で受注につながる顧客属性を特定したり、売上分析によって業種・地域特性に応じたアプローチを開発したりすることができます。
なお、マーケティングを効果的に行うためには、多様なデータを収集することが重要です。例えば顧客分析をするのであれば、顧客の会社名や設立年、業種、自社との取引履歴などのデータが必要。売上分析をするのであれば、売上が発生した時期や商材、担当者やリピート回数などを分析する必要があります。こうした膨大なデータをすべてExcelで処理することは現実的ではありません。
最近は、AIによる高度なマーケティング機能を備えたSFAも複数登場しています。例えばZoho CRMでは、AI機能として「Zia」を搭載。確度が高いリードを自動で判別し、顧客や案件ごとに優先度をつける機能が搭載されています。
SFAツール(営業支援システム)を導入する際の注意点
営業の効率化など、数多くのメリットがあるSFA。一方、その導入にあたってはいくつかの注意点があります。
例えば、顧客が多い企業では導入費用や月額費用がかさむことが多いです。SFAの操作は複雑なことも多いため、社員の教育コストも無視できません。導入前にこれらのデメリットをよく理解した上で、あらかじめ対策を考えておくことが大切です。
顧客を多く抱える会社では導入費用や月額費用がかさむ
SFAの料金体系は、多くの場合ユーザー数や案件数に応じて設定されています。そのため、顧客数が多い企業では導入費用や月額費用がかさみがち。営業活動が活発な企業では予想以上にコストが膨らむ可能性があるため、事前の費用シミュレーションが必要不可欠です。
ユーザー数に応じた料金設定の場合、大体1ユーザーあたり5,000円〜15,000円が相場。例えば営業担当者が20名の企業で導入する場合、月額で10万円〜30万円程度の費用が発生する可能性があります。導入前に具体的な金額を試算し、予算内におさまるかどうかを確認することが重要です。
システムの使用方法を社員に一から教育する必要がある
社員への教育も、SFA導入時にありがちな課題の一つ。従来のExcelや紙ベースからの管理から脱却するためには、相応の手間がかかることを頭に入れておきましょう。
対策としては、SFAの使い方を社内で共有する勉強会を開催したり、ヘルプデスクを設けたりすることが有効です。導入後にも継続的にフォローアップを実施して、SFAに関する疑問点や不明点をすくいあげましょう。
特に高機能なSFAは、操作が複雑になりがちです。社員がうまく使いこなせないと、「せっかく気合いを入れて導入したのに、思い通りの効果が出ない」といった事態にも。充実した機能を使いこなしてもらうためには、研修の実施やマニュアル作成などのサポートが必要不可欠です。
なお、SFAの活用支援に向けたコンサルティングもおすすめ。各ベンダーが付属サービスとして実施している場合もありますし、Salesforceなどの大手サービスの場合は外部のコンサルティング企業が導入支援を行っている場合もあります。
一度SFAを導入すると他のSFAへの移行が難しくなる
SFAには大量の顧客データや営業履歴が蓄積されるため、他システムへの移行は非常に困難です。万が一自社に合わないSFAを導入してしまうと、多くの手間がかかってしまいます。
例えば顧客データや案件データの形式は、製品によって異なります。異なる製品へデータを引き継ぐためには、形式の変換やデータクレンジング作業が必要です。また、システムの引き継ぎ時には営業活動への影響も考慮しなければいけません。
これらのリスクを回避するためには、導入前に複数のSFAツールを入念に比較検討することが大切です。各製品にはトライアル期間が設けられているので、必ずこの期間を活用して製品の使い心地を確認してみましょう。会社ごとに担当者がつくなど、サポートが充実している製品を選択することも重要です。
各社のSFAツール(営業支援システム)を比較する際のポイント
SFAを選定する時には、どういった点を比較すればよいのでしょうか。
結論、SFAを選ぶ際の比較ポイントは次の5点です。
- 自社の規模感
- 予算
- 使いやすさ
- 機能要件
- 他システムとの連携性
料金や機能はもちろん大切ですが、製品の想定している規模感やUI、他システムとの連携なども加味することで、自社に最適な製品を選びやすくなります。
自社に合った規模感のSFAかどうか
SFAを選ぶ際に最も意識すべき点は、自社の規模感にマッチしているかどうか。大企業が中小企業向けの製品を選ぶと機能が不足しますし、小規模な営業部隊が大企業向けの製品を選んでも予算が無駄になってしまいます。
企業規模ごとに、意識すべき点を整理しました。
企業規模 | 営業部の人数 | 比較ポイント |
---|---|---|
小規模企業 | 10名以下 |
|
中規模企業 | 10名〜50名 |
|
大企業 | 50名〜 |
|
なお、扱う商材の数や複雑さも考慮しましょう。もし商材の種類が多い場合は、カテゴリ別の管理機能や、複雑な価格体系への対応できるかどうかも重要な検討基準の一つです。業界特有の慣習がある場合には、業界特化型のSFAも視野に入ります。
自社の予算に合っているかどうか
SFAの比較ポイントの一つとして、予算も重要です。初期費用と月額費用、ともに自社の想定内に収まる製品を選択してください。
しかし、そうはいっても「SFAの費用のイメージが湧かない」という方もいらっしゃるかもしれません。参考までに、代表的なSFAの大まかな費用を次の表に示します。
製品 | 初期費用 | 月額費用 | おすすめの企業規模 |
---|---|---|---|
Salesforce Sales cloud | 0円 | 3,000円 / 1ユーザー〜 | 中小〜大企業 |
Sales Force Assistant | 50,000円 | 3,500円 / 1ユーザー〜 | 大企業 |
Zoho CRM | 0円 | 1,680円 / 1ユーザー〜 | 中小企業〜大企業 |
Mazrica Sales | 0円 | 27,500円 / 5ユーザー〜 | 中小企業〜大企業 |
kintone | 0円 | 1,000円 / 1ユーザー〜 | 中小企業〜大企業 |
各社は複数のプランを用意しているため単純な金額での比較はできませんが、上記の表の中で最も手軽に利用できるのはkintoneです。そのほかは、軒並み1ユーザーあたり3,000円台が相場となっています。
上記の表からもわかる通り、費用の目安は「3,000円×ユーザー数」がボトムラインです。これを目安に、自社のニーズや予算感にあった製品を選択してください。
社員が使いやすいシステムかどうか
システムの使いやすさは、SFAが定着するかどうかを左右する重要な要素。
操作が複雑すぎると現場での活用が進まず、十分な費用対効果が得られません。日常的にSFAを利用する営業担当者がスムーズに使いこなせることが大切です。
まずは、マニュアルがなくても直感的に操作できそうかどうかをチェックしてみましょう。SFAでは多くの複雑な営業データを分析する必要があるため、グラフを直感的に表示できるかどうか、分析をイメージ通りに進められるかどうかも重要な比較ポイントです。
ほとんどの製品では、無料トライアルを利用可能です。ツールのUIや操作感は、無料トライアル期間を活用して確かめてみましょう。
必要な情報を記録することができるか
自社の営業方法や業界の商習慣に合った項目を管理できるかどうかも、SFAを比較する際の重要なポイントの一つです。自社が管理したい項目に対応していないSFAを導入すると、かえって業務が非効率になりかねません。
例えば顧客情報では、キーパーソンや各社の予算規模、過去の商談に対するメモなどを残せる製品が便利です。商談情報に関しては、競合の情報やネクストアクションを記録できる製品もあります。
また、自社の使い方に合わせてフォームの入力内容などをカスタマイズできる製品も人気です。例えばGENIEE SFA/CRMでは、保存するデータ項目を自由に選べる「カスタムオブジェクト機能」に対応。国産SFAでは珍しく、ノーコードで自社に合わせたカスタマイズが可能です。Zoho CRMも、ドラッグアンドドロップで直感的に入力項目をカスタマイズすることができます。
利用している他のSaaSとの連携性があるか
既存の業務システムとの連携可否も要チェック。SFAと他のツールを連携することで、営業やマーケティング、会計業務などが一気に効率化します。
具体的には、次のようなシステムとの連携状況を確認してみてください。
- メール(Gmail、Outlookなど)
- CRM
- MA・マーケティング支援ツール
- 会計システム
- コミュニケーションツール(Slack、Teams)
例えばSFAとメールを連携することで、マーケティングのためのメールを自動配信できるように。CRMやMAと連携すれば効果測定も容易に行うことができますし、膨大な見込み客の情報も自動で取り込んで正確に分析することができます。
また、ぜひ検討しておきたい点がコミュニケーションツールとの連携。例えば社内チャットツールとSFAを連携すれば、案件情報の更新に合わせて通知を配信することができます。実際、SalesforceはSlackとの連携に対応しており、Salesforce上の通知をリアルタイムでSlack上に配信することが可能です。
なお、最近では生成AIと連携できる製品も多数。例えばGENIEE SFA/CRMはChatGPTとの連携に対応しており、案件の自動要約やメールの自動生成を行うことができます。
おすすめのSFAツールランキング10選
Mazrica Sales
運営会社 | 株式会社マツリカ |
---|---|
料金形態 | 従量課金制 |
料金(中小企業向け) | Starter:5,500円/月(1ユーザー) Growth:11,000円/月(1ユーザー) ※価格は税抜 |
料金(大企業向け) | Enterprise:16,500円/月(1ユーザー) ※価格は税抜 |
タスクや案件を色分けして表示できる、直感的なカンバン型の案件ボードを採用しており、対応漏れを防ぎながらスムーズな進捗管理が可能です。
さらに、AIが過去の案件データをもとに、次に取るべきアクションを自動で提案してくれるため、営業判断の精度向上にもつながります。
Google WorkspaceやMicrosoft 365、Sansan、freee、マネーフォワードクラウドなど、さまざまな外部ツールとの連携にも対応できます。
名刺情報のOCR読み取りによる自動入力機能も備えており、情報登録の手間を削減可能です。
【Mazrica Salesの特徴】
- 導入実績3,700社以上
- わかりやすい料金プラン
- AIによる受注確度・リスク判断が可能
ネクストSFA
引用:ネクストSFA公式サイト
運営会社 | 株式会社ジオコード |
---|---|
料金形態 | 従量課金制 |
料金(中小企業向け) | 基本利用料:50,000円(10ユーザー利用分) ユーザー利用料:5,000円(11ユーザー以降1ユーザーあたり) MA機能利用料:30,000円 ※価格は税抜 |
料金(大企業向け) | 要問い合わせ |
ネクストSFAは、誰でも直感的に使える、使いやすさにこだわったUIを採用しています。
プログラミングの知識がなくても、営業プロセスに合わせて柔軟に設定やカスタマイズが可能です。
また、ユーザー向けの説明会や定例ミーティング、マニュアル作成など、導入後のサポートもすべて無料で受けられます。
こうした手厚い支援体制により、継続利用率は98.6%と高い実績を誇ります。
【ネクストSFAの特徴】
- 98.6%の高い継続利用率
- AI商談議事録機能を搭載
- リアルタイム情報共有が可能
Sansan
引用:Sansan公式サイト
運営会社 | Sansan株式会社 |
---|---|
料金形態 | 要問い合わせ |
料金(中小企業向け) | 要問い合わせ |
料金(大企業向け) | 要問い合わせ |
Sansanは、名刺管理サービスとしてだけでなく、SFAツールとしても活用できるのが特徴です。
専用スキャナと入力オペレーターにより、名刺情報を99.9%の精度でクラウドに転送できるため、データ化の手間を大幅に削減できます。
さらに、SalesforceやMarketo、HubSpotなどの各種システムとAPIやCSVで自動連携が可能です。
信頼性の高い名刺情報をもとに、SFA・CRM・MA上の顧客データを常に最新かつ正確な状態に保ち、強固な顧客データ基盤の構築を支援します。
【Sansanの特徴】
- SFAツールとして使える名刺管理ツール
- 顧客情報を最新の状態に保てる
- 複数部署での名刺重複を自動整理
Sales Force Assistant
運営会社 | 株式会社N |
---|---|
料金形態 | 月額定額制 |
料金(中小企業向け) | 3,500円〜/月 |
料金(大企業向け) | 要問い合わせ |
Sales Force Assistantは、営業担当を支援するAIアシスタント型ツールで、情報共有や見積作成、案件管理などを効率化し、事務作業の負担を大幅に軽減します。
導入実績は15,000社以上にのぼり、多くの現場で活用されています。
スマートフォンやタブレットからもアクセス可能なため、外出先でもスピーディーな営業対応が可能です。
なお、専用のアプリは無料でダウンロードができます。
【Sales Force Assistantの特徴】
- 営業担当を強力にサポートするAIアシスタント型
- CRMとの連携が可能
- クラウドベースでの運用
GENIEE SFA/CRM
運営会社 | 株式会社ジーニー |
---|---|
料金形態 | 月額定額制 |
料金(中小企業向け) | スタンダード:34,800円/月(10ユーザー) プロ:54,800円/月(10ユーザー) エンタープライズ:98,000円/月(10ユーザー) ※価格は税抜 |
料金(大企業向け) | 要問い合わせ |
GENIEE SFA/CRMは、顧客管理・商談管理・データ分析を一元化できる、国産の営業支援ツールです。
日本企業向けに最適化された設計で、月額3,480円から導入可能です。
また、専門知識がなくても使いやすいシンプルなUIで、誰でもすぐに操作できます。
「BOXIL SaaS AWARD」では、「導入のしやすさ」「サポート品質」「料金の納得感」で1位を獲得しており、継続率は99%と高水準を維持しています。
【GENIEE SFA/CRMの特徴】
- 平均1〜2ヵ月で導入可能
- 継続利用率は99%
- 国産・クラウド型のSFA/CRM
Knowledge Suite
運営会社 | ブルーテック株式会社 |
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料金形態 | 月額定額制 |
料金(中小企業向け) | スタンダード:55,000円/月 プロフェッショナル:85,000円/月 ※価格は税抜 |
料金(大企業向け) | エンタープライズ:155,000円/月 ※価格は税抜 |
Knowledge Suiteは、SFA・CRM・グループウェアの機能を一つに集約したオールインワン型の営業支援ツールです。
顧客管理や商談管理、社内情報の共有まで、すべてを1つのプラットフォームで完結できます。
また、同一法人であればユーザー数は無制限で利用可能です。追加ユーザーの費用は発生せず、料金は使用容量に応じた明確な課金体系です。
PC・スマートフォン・タブレットはもちろん、フィーチャーフォンにも対応しており、外出先からでも安全にアクセスできます。
【Knowledge Suiteの特徴】
- SFA・CRM・グループウェアがオールインワン
- 直感的で導入までスムーズ
- ユーザー数無制限契約で利用可能
Sales Hub
運営会社 | HubSpot, Inc. |
---|---|
料金形態 | 月額定額制 |
料金(中小企業向け) | Starter:1,080円/月 Professional:96,000円/月 |
料金(大企業向け) | Enterprise:432,000円/月 |
Sales Hubは、見込み顧客や取引先の情報を一元管理し、セールス活動を可視化することで営業効率を高めます。
世界135ヶ国で25万8,000社以上の導入実績があり、信頼性も高いサービスです。
さらに、AIが見込み度の高いリードや商談を自動で評価し、優先順位を明確化。営業の判断や行動の質を向上させます。
最新のAI機能「Breeze Agents」では、ナレッジベースの対応、見込み客の発掘、コンテンツ生成などを自動でサポートし、営業活動をさらに強化します。
【Sales Hubの特徴】
- 世界135ヶ国で25万8,000社以上の導入実績
- 日本語のカスタマーサポートあり
- AIにより見込み度の高いリードや商談を自動評価
Freshsales Suite
運営会社 | OrangeOne株式会社 |
---|---|
料金形態 | 月額定額制 |
料金(中小企業向け) | Growth:1,400円 Pro:5,700円 |
料金(大企業向け) | Enterprise:8,600円 |
Freshsales Suitehは、CRM・SFA・MAを一体化したオールインワンツールで、セールス・マーケティング・チャット・電話をすべてまとめて管理できます。
操作性に優れており、初めてでも直感的に使えるため、学習コストが低くスムーズに導入可能です。
最短で翌日からの運用開始も可能で、すでに世界中の約40,000社で利用されています。幅広い業種や国で活用されている実績があります。
【Freshsales Suiteの特徴】
- CRM・SFA・MAを統合したオールインワンツール
- 最短翌日から利用可能
- ユーザー満足度の高い操作性
LaXiTera
運営会社 | 日鉄日立システムソリューションズ株式会社 |
---|---|
料金形態 | 月額定額制 |
料金(中小企業向け) | 初期費用30万円+500円/月(1ユーザー) |
料金(大企業向け) | 要問い合わせ |
顧客管理、案件登録・商談管理、日報管理といった必要な機能に絞って搭載しており、初期導入がスムーズに行えます。
NHSがSIerとして培った実績を活かし、ERPとの連携や情報統制など、安全性の高い運用が可能です。
また、導入時にはNHSによる手厚い支援とサポートがあり、初期設計から運用定着まで伴走してサポートします。
【LaXiTeraの特徴】
- SFAとしての必須機能をシンプルに提供
- クラウド版とオンプレ型を選択可能
- 高いセキュリティ基盤
Oracle CX Sales
運営会社 | Oracle Corporation |
---|---|
料金形態 | 要問い合わせ |
料金(中小企業向け) | 要問い合わせ |
料金(大企業向け) | 要問い合わせ |
顧客管理や営業カタログ、営業計画、販売予測、成果管理までを一元的にサポートします。
日々の営業プロセスや定型業務を自動化することで、営業担当者の生産性を大きく向上させます。
また、通信、金融、製造、消費財、公共など、業界ごとに最適化されたCXアプリケーションを提供し、幅広い業種に対応しています。
【Oracle CX Salesの特徴】
- 業界別のCXアプリを提供
- サブスクリプション管理対応搭載
- ERPやサードパーティ、マーケティング/サービスデータなどと統合
SFAツール(営業支援システム)導入時によくある質問
最後に、SFA導入を検討する企業担当者からよく寄せられる疑問にお答えします。
SFAは高機能な製品が多いからこそ、導入時には多くの疑問が生じるもの。導入に関してわからない点や不明点がある方は、ぜひこの場で解決しましょう。
無料で使えるSFAツールはありますか?
無料で利用できるSFAツールも複数存在します。個人事業主や小規模な企業で導入する際は、無料のSFAから始めてみることも手です。
代表的な無料SFAツールは、主に以下の2つ。
- HubSpot CRM
- Zoho CRM
特にHubSpot CRMは最も人気な無料SFAの一つで、最大1,000件のコンタクトをストレージ量の制限なく登録することができます。スケジュール設定やウェブチャットなどの基本機能は期間制限なく利用可能です
このほか、Zoho CRMの無料プランは3名までの制限つきで無料利用できます。
無料でSFAを使いたいのであれば、まずはHubSpot CRMを試してみることがおすすめです。無料プランだとメールやフォームに「HubSpot」というロゴがついたり、MA機能が一部利用できなかったりといった制限はありますが、無料版としては十分すぎるほどの性能といっても過言ではありません。
ただし、無料版だと将来的に機能不足を感じる可能性もあります。本格的なSFAの活用を進める際にはいずれにしても有料版の製品を導入することになるため、あまり無料版にこだわりすぎず、長期的な視点で製品を選択してみてください。
有名で人気なSFAツールはなんですか?
有名なSFAツールとしては、下記が挙げられます。
- Salesforce Sales Cloud
- Microsoft Dynamics 365
- HubSpot
Salesforceは、世界最大手のSFAです。市場シェア率はなんと21.7%に達し、世界シェアだけでなく、日本、アメリカ、西ヨーロッパの各地域に絞ってもそれぞれ業界1位のシェアを誇っています。このほか、Microsoft Dynamicsは大企業を中心に、HubSpotは中小企業を中心に人気です。年間経常収益が1億5,000万円〜6億円の企業に絞ると、HubSpotのシェア率は65.9%に達します。
また、国産SFAとしてはサイボウズ社のkintoneやキヤノン社のSales Force Assistant、BlueTec社のKnowledge Suiteなどが人気。国産SFAは法改正への確実な対応やセキュリティ面で信頼されており、大企業や官公庁でも多く導入されています。
営業会社におすすめのSFAツールはなんですか?
営業活動が活発な企業では、高機能なSFAやモバイル利用がしやすいSFAがおすすめです。
高機能なSFAとしては、Salesforce Sales Cloudが挙げられます。Salesforce Sales Cloudは機能が豊富なことに定評がある製品の一つで、商談の進行状況や顧客のプロフィールなどを詳しく管理できます。Salesforce Sales Cloudの設定や管理のスキルを有することを証明する「Salesforce認定 Sales Cloudコンサルタント」という資格も用意されているほどです。
また、外回り営業やフィールドセールスでの利用が多い場合には、「cyzen」という選択肢も。cyzenはスマートフォンからの利用のしやすさへ徹底的にこだわったSFAで、移動が多い営業社員からも「使いやすい」と評判です。
SFAツール(営業支援システム)まとめ
SFAについて、基本的な機能や導入メリット、注意点などをお分かりいただけたでしょうか。
営業チャネルが多様化した昨今、管理すべきデータの種類は多岐にわたります。顧客のプロフィールや競合他社の状況、過去の提案内容などの膨大な営業データを適切に管理するためには、SFAの導入が欠かせません。Excelや紙ベースでの管理とは異なり、リアルタイムで情報共有できる点も大きなメリットです。
そんなSFAには高機能な製品が多く、比較が難しいことも事実。比較する際には、この記事で解説したように製品の規模感や費用、UI、機能要件、連携対応の5つを入念にチェックしてみてください。
最近ではMAやAI連携など、高度な機能を備えたSFAも増えてきています。こうしたデジタル化の波に乗れるかどうかは、営業部隊のパフォーマンスにも直結するでしょう。
ぜひこの記事を参考にしながら自社に最適なSFAを見つけ、営業のデータドリブン化を実現してください。
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